目は口ほどに
電車に乗っていたら、若い男女2人組が乗ってきて、隣に座りまして、2人とも、すぐに読書を始めました。
お互いに遠慮をしている素振りが全くなかったので、2人は、たぶん恋人か夫婦なのでしょう。
読書を始めて20分くらいすると、女性のほうが居眠りを始めました。
最初は、可愛らしい寝顔でいたのですが、そのうちに、だんだんと寝顔が崩れてきて、最後は、しかめ面のまま、口をポカンと開けて寝ていたのですね。
(う~ん、痛々しいな~)
と思って男性の顔色を伺うと、こちらは居眠りをすることもなく、真剣な表情で読書を続けている。
この男性が、女性の崩れた寝顔に早く気付き、起こしてあげるのだろうと思って、しばらく待っていました。
が、一向に、その気配がありません。
どうして気付かないのかと思って、男性の顔を10秒くらいみていたのです。
そしたら、なんと、男性は気付いているようではありませんか。
ちらっと女性の寝顔を見ては、すぐに視線を戻していたのです。
その視線はビックリするほどに冷たかったのですね。
(この2人、そろそろ終わるんだろうな~)
と感じました。
大丈夫です。
2人とも、まだ20代前半くらいでしたから。
やり直しは、いくらでもできるでしょう。
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僕が元カノにフラレたときも、ビックリするほどに冷たかったのを思い出しました。
「あなたのことは好き。でも、もう付き合うことはできない。家庭の事情で〜(ry」
ーーあなたのことは好き
彼女は、目の前の僕に、確かにそう言ったのです。
生ゴミを見るような目で。
彼女の目には、すでに、非モテ鬱男しか映っていなかったのでしょう。
ーーああ、そういうことか。
と、僕は察した。
嘘をついていたのです。
つまり、浮気をしていたのですね。
大丈夫です。
僕はまだ、20代前半ですから。
やり直しは、いくらでもできるでしょう。
僕は、日常という過酷な毎日へ戻る心の旅人へとなるのです。